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N-art 知識編

2025年6月3日

がん疼痛コントロール

がん疼痛コントロール|訪問看護でできる痛みの緩和ケア

がんと共に生きる多くの方が抱える課題のひとつに「痛み(疼痛)」があります。特に自宅で療養する患者さんにとって、疼痛は生活の質(QOL)を大きく左右する重要な問題です。


私たち訪問看護師は、患者さんとご家族が安心して自宅で過ごせるよう、疼痛の評価と緩和ケアを多職種と連携しながら提供しています。






二人が優しく手を取り合い、支え合う温かいひととき。

がん疼痛の理解と分類

がん性疼痛は主に以下の3つに分類されます:

  • 体性痛:骨、筋肉、皮膚など体の表層や構造から発生する痛み。持続的で鋭い、あるいは鈍い痛みとして感じられることが多い。


  • 内臓痛:胃や腸、肝臓など内臓器官からくる痛み。漠然とした不快感、圧迫感、あるいは疝痛として現れることがある。


  • 神経障害性疼痛:神経そのものの損傷や圧迫により生じる痛み。焼けつくような痛み、しびれ、電気が走るような感覚が特徴。


これらの痛みは一人の患者さんに複数混在することもあり、適切な評価と分類が、治療とケアの第一歩となります。



訪問看護師の役割①|疼痛の評価とアセスメント

訪問看護では、以下のような評価ツールと観察力を駆使して痛みを見える化します。


  • NRS(Numerical Rating Scale)やVAS(Visual Analogue Scale)による主観的評価


  • 表情・体動・発語など非言語的反応の観察


  • 突発痛の発現タイミングや持続時間、誘因の記録


患者さんが痛みをうまく言語化できない場合にも、看護師の継続的な関わりと信頼関係の構築が、正確な評価につながります。



訪問看護師の役割②|薬物療法の管理と支援

がん疼痛のコントロールには、医療用麻薬を含む適切な鎮痛薬の使用が不可欠です。訪問看護師は医師の指示に基づき、以下のような支援を行います。


  • 経口薬・貼付薬・坐薬・皮下注射など、患者の状態に応じた投与ルートの確認


  • 薬の効果や副作用(便秘、吐き気、傾眠など)の観察と報告


  • ご家族への服薬指導と不安の軽減


  • レスキュー薬(突発痛時の臨時薬)のタイミングと使い方の支援


薬物療法の遵守を促すだけでなく、「この薬はなぜ必要か」「どんな副作用があるか」などを丁寧に説明し、納得と安心を届けることが重要です。



訪問看護師の役割③|非薬物療法の活用

薬だけでは補えない痛みに対して、非薬物的アプローチも有効です。

  • 温罨法、マッサージ、リラクゼーション法など


  • 呼吸法やポジショニングの調整


  • 看護師による傾聴と共感的関わり


痛みには身体的・心理的・社会的・スピリチュアルな側面があるため、多角的な支援が求められます。



多職種連携と在宅チームケア

在宅におけるがん疼痛管理では、医師・薬剤師・ケアマネジャー・緩和ケアチームなどとの連携が必須です。


  • 訪問診療医との情報共有・処方調整依頼


  • 薬剤師との服薬管理サポート


  • カンファレンスでの状態報告と対応方針のすり合わせ


特に終末期では、日々状態が変化するため、迅速な情報連携と臨機応変な対応が重要です。



家族支援と心理的ケア

患者本人だけでなく、ご家族も痛みを共有し、看取ることに不安を抱えています。


  • 家族の話に耳を傾け、気持ちの整理を支える


  • 看取りを前にした心構えや不安に寄り添う


  • 必要に応じて、カウンセラーや宗教者への橋渡しも行う


「痛みがあるから怖い」「どう介護していいかわからない」そんな家族の声に応えるのも訪問看護師の役割です。



私たちが大切にしていること

「痛みがなくなったら、こんなに笑えるんだね」-そんな瞬間に立ち会えるのが、在宅でのがん疼痛ケアです。


N-art訪問看護ステーションでは、堺市を拠点にがん疼痛の緩和に力を入れ、地域の医療機関・多職種と密に連携しながら、ご自宅での安らかな生活を支えています。


がん疼痛に関するご相談や訪問看護のご希望があれば、お気軽にご連絡ください。


また在宅で暮らす地域の人々を一緒に支える仲間も募集しております。予防的な支援から終末期ケアの支援まで幅広い看護を提供しています。

初めての訪問看護でも安心できるように、一緒に支えていきます。

訪問看護の現場から、利用者とご家族を支えていく仲間も随時募集しています。お気軽にご連絡ください。



お問い合わせはお問い合わせフォームまたはメール【info@n-art.biz

お電話【072-260-4685】からも受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

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