腹膜透析患者を地域で支える|日本透析学会でN-art訪問看護ステーションが登壇しました
2025年6月28日、第70回日本透析医学会学術集会にて、堺市にある私たち【N-art訪問看護ステーション】が「腹膜透析患者の地域連携推進のための取り組み」をテーマに発表を行いました。
腹膜透析(PD:Peritoneal Dialysis)は、在宅で行える腎代替療法として注目されていますが、その継続と安心には、地域で支える体制が欠かせません。
今回の発表では、当ステーションが現場で取り組んでいる実践と課題、そしてその先にある「その人らしい暮らし」への支援についてご紹介しました。

訪問看護ステーションとしての挑戦
当ステーションが腹膜透析利用者の訪問看護に関わるようになったのは2023年。地域の病院からの依頼を受け、知識も経験も乏しい中からのスタートでした。
CAPD:6名、APD:1名(2025年6月時点)
看護師・理学療法士による多職種体制
腹膜透析を知る外部スタッフと連携し、継続的な研修と実地での学びを重ねました
支援の具体的な内容
PD利用者の日常には、治療管理と生活支援の両面が存在します。訪問看護師は以下のような役割を担います。
水分出納・バイタルサイン管理
排液の性状確認と腹膜炎リスクの早期発見
CAPDバッグ交換や出口部の清潔管理
機器トラブル時の対応・相談支援
日常生活(入浴、食事、外出)の工夫と支援
ラストPDやACP(アドバンス・ケア・プランニング)にも対応
「透析液が入りづらい」「カテーテルがあるとシャワーしかできない」といった生活上の困りごとにも寄り添い、医療機関・ケアマネジャー・ご家族と協力して解決を目指します。
利用者の声から学んだこと
実際に関わるなかで印象的だったのは、利用者からのこんな声でした。
「決まった時間にやらなきゃいけないのがつらい」
「透析液が家を圧迫しているけど仕方ないと思ってた」
「訪問看護師さんが家にすぐ来てくれると思うと安心」
「スポーツ観戦のために、訪問看護師さんに先生と相談してもらい透析を1日休んだ」
私たちは、これらの声から「治療」ではなく「生活の質(QOL)」を中心に考える必要性を改めて感じています。
課題も明確に
腹膜透析患者さんへの訪問看護には課題もあります。
介護保険対応で週1〜2回しか入れないケースでは、緊急時にタイムラグが生じることも
多職種間の連絡がうまく噛み合わず、情報共有のタイミングにズレが起きることも
「透析をすること自体が目的化」されてしまい、“自分らしく生きる”視点が抜け落ちてしまうこと
だからこそ、医療的な支援だけでなく、“どう生きたいか”という価値観に寄り添った関わりが必要です。
「腹膜透析を選んだ理由」を大切にしたい
血液透析ではなく、腹膜透析を選択した背景には、きっと患者さんやご家族の「こうありたい」があります。
N-art訪問看護ステーションは、その選択を尊重し、「自宅で透析をしながら、自分らしい生活を送る」ことを支えるために存在しています。
今後も、多くの医療職が腹膜透析に関わり、その人らしさを支えられる地域づくりを目指してまいります。

最後に
腹膜透析に関わるすべての方へ。
「まだ訪問看護は早いかも?」と思う段階からでも、ぜひご相談ください。
私たちは、治療と生活のどちらも大切にする視点で、支援を届け続けます。
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