top of page

N-art 知識編

2025年5月20日

ポリファーマシー

訪問看護とポリファーマシー|薬の多剤併用とそのリスクにどう向き合うか

近年、在宅療養をされている高齢者において「ポリファーマシー(多剤併用)」が大きな課題となっています。


私たち訪問看護師は、日々のケアの中で服薬状況を観察し、利用者の安全と生活の質を守る重要な役割を担っています。





薬を渡しているところ


ポリファーマシーとは

ポリファーマシーとは、必要以上に多くの薬を使用している状態を指します。

高齢者では複数の慢性疾患を抱えるケースが多く、結果として5剤以上の薬を服用している方も少なくありません。


しかし、薬の数が増えることで以下のようなリスクも伴います


  • 副作用の発現(ふらつき、食欲不振、便秘など)


  • 相互作用による薬効の増強・減弱


  • 服薬管理の複雑化とコンプライアンスの低下


  • 医療費の増大


  • 認知機能やADLの低下を招く可能性


服薬が“習慣”となり、漫然と続けられている場合は、定期的な見直しが必要です。



訪問看護師にできること

訪問看護師は、利用者の日常に最も近い立場で薬の実際の使用状況を把握できます。


  • 服薬状況の確認(飲み忘れ、誤薬、残薬)


  • 体調の変化と薬の影響の観察(副作用や症状変化)


  • ご家族への服薬指導と相談対応


  • 主治医や薬剤師への報告・連携


  • 多職種カンファレンスでの情報共有


  • 服薬カレンダーやお薬ボックスの使用サポート


特に在宅療養者の場合、薬局での受け取りから服用管理までご家族が担っているケースも多く、看護師の介入により管理負担を軽減することができます。



ポリファーマシーとどう向き合うか

大切なのは「減らすこと」ではなく「適切かどうか」を見極める視点です。

必要な薬を見極め、副作用が疑われる場合は主治医や薬剤師と連携して見直しを行います。


特に以下のような場合は注意が必要です


  • 新しい症状が出たとき(薬の影響か、病気か)


  • 長期間同じ薬を飲み続けているとき


  • 利用者自身やご家族が不安を感じているとき


  • 多剤併用のなかに類似薬効や重複成分が含まれているとき


また、服薬に対する“気づき”を促すため、利用者やご家族に対し、「この薬は何のためか」「副作用には何があるか」を共有することも、コンプライアンスの向上や医療安全に直結します。



安心して服薬できる在宅支援を支援できる仲間を募集してます

N-art訪問看護ステーションでは、堺市の地域包括ケアの一員として、多職種と連携しながらポリファーマシーに取り組んでいます。

私たちは地域に根ざし、医師や地域包括支援センター、訪問薬局、介護事業所などと連携しながら訪問看護に取り組んでいます。


服薬指導にあたっては、訪問薬剤師や主治医と連携し、必要に応じて薬剤整理の提案を行います。

また、必要であればケアマネジャーを含めたサービス調整にもつなげていきます。


安全で安心な服薬環境を整えることは、在宅療養の質を大きく左右します。

訪問看護の現場から、利用者とご家族を支えていく仲間も随時募集しています。お気軽にご連絡ください。


「薬は正しく使えば味方になる。間違った使い方をすれば敵にもなる」 その意識を、私たち看護師が伝えていくことが、地域医療の質を高めることにつながると考えています。




お問い合わせはお問い合わせフォームまたはメール【info@n-art.biz

お電話【072-260-4685】からも受け付けております。お気軽にお問い合わせください。

bottom of page